2019年奈良ひとり旅3日目①日本の始まりの地、橿原神宮詣で
奈良旅最終日。
正倉院展の初日だったので、もしも雨だったらそちらへ行こうかなぁと思っていたのですが、なんとかもちました。
当初の予定通り飛鳥散策に出かけることに〜
橿原神宮
そのまえに。せっかく橿原に泊まっているのだから、朝参拝いたしましょう。
橿原神宮には、神武天皇と皇后、媛蹈韛五十鈴媛命(ヒメタタライスズヒメノミコト)が祀られています。
ヒメタタライスズヒメノミコトは、大国主大神のご息女。初日にお参りした、奈良市の率川神社にも祀られている神様です。
橿原は、神武天皇が都を創建し初代天皇として即位された土地と日本書紀に記されているそうで。日本の始まりの地と言われているそうですよ。
令和天皇が5月に即位されてから、橿原神宮についてもなにかと耳にする機会が増えたように思います。
境内がとても広くて、清々しい空気が漂います。
そういえば、初日にいざない館で会ったおじさまが「かしはらはアイヌ語なんだよ」と言っていたけど、本当かしら?
長山稲荷社
長山稲荷社にもお参りしようといたところ、マダムの団体と出くわしまして。
写真撮影に時間がかかりそうだし、その後一緒にお参りに進むのも嫌だわぁと思い、しばらく深田池の辺りをプラプラ。
池をぼんやり眺めたり、猫と戯れたりしていました。
我ながらどうかと思うくらい、人と馴染みたくない時があったりします。
朝から少し自己嫌悪になりつつ、前日と同じ喫茶店「サンド」でモーニング。
お店のお母さんと少しお話しして。おいしいコーヒーとかわいい笑顔で笑顔癒やしのひととき。
このあと、飛鳥へ向かいます。
2019年10月奈良ひとり旅2日目③雨の吉野。ランチ〜水を感じる神社巡り
脳天大神を出まして、そろそろお昼時。
吉野は、お昼をいただけるお店が結構あります。
店頭を覗いて目移りしつつ、蔵王堂からすぐ近くの「お食事処はるかぜ」に入店。
先日おやつの話で書いた、「中井春風堂」のお隣。姉妹店になるのかな?
お座敷席も魅力的でしたが、下半身ぐず濡れなので入口近くのテーブル席へ。
柿の葉すし御膳。これで税込1000円というコスパ良すぎセットです。
煮物も酢の物も全部おいしい。柿の葉すしの、塩と酢の味しっかり目なところがすごく好みでした。
ホントは鮎も食べたかったけれど、時間もかかってしまうしお腹も一杯なので断念…
吉野水分神社
続いて向かったのは、行ってみたかった吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)
神社の近くにバス停がないため、徒歩で目指します。
竹林院前バス停から1.5kmのぼるか、奥千本口から1.3kmもしくは高城山展望台から650m下るか…
時間と体力に余裕があれば、奥千本口から金峯神社まで足を伸ばしたかったのですが…天候と疲労の蓄積を考えて欲張らないことにしました。
なので、高城山展望台までバスでのぼり、下りながら目指すことに。
運転手さんに「一番高くて見晴らしが良いのは奥千本だよ?」と言われましたが、今回はいいのです。
雨が弱まったかわりに、だんだん霧が濃くなってきて…
薄暗く霧が立ち込める道を、どんどん下ります。
ひとりでちょっと心細いので、ふんふん鼻歌を歌いながら進みます。
足元びしょ濡れで、前にリュックを抱えて歌いながらひとりで歩いている中年女。なかば変質者ですね。
そんなこんな、歩くこと15分ほどで吉野水分神社に到着。
社殿にも靄がかかり、なんとも幻想的。
人もいなかったし、すごくいい雰囲気なのでしばらく境内でたたずんでいました。
交通的にはなかなか訪れにくい場所ですが、また吉野に来たら必ずお参りしたい神社です。
配祀神に、高皇産霊神、少彦名神、御子神、天津彦火瓊瓊杵命、玉依姫命、天萬栲幡千幡比咩命
天之水分大神、あまり耳馴染みのない神様なのでウィキペディアで調べてみたところ…
神名の通り、水の分配を司る神である。「くまり」は「配り(くばり)」の意で、水源地や水路の分岐点などに祀られる。
日本神話では、神産みの段でハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメ両神の子として天水分神(あめのみくまりのかみ)・国水分神(くにのみくまりのかみ)が登場する。 水にかかわる神ということで祈雨の対象ともされ、また、田の神や、水源地に祀られるものは山の神とも結びついた。
後に、「みくまり」が「みこもり(御子守)」と解され、子供の守護神、子授け・安産の神としても信仰されるようになった。
っという神様だそうで。
ちょこっと調べた感じでは、主祭神として祀られている神社は全国にも少ない模様…なのですが、奈良には「大和国水分四社」といって水分神が祀られる神社が、吉野、都祉、宇陀、葛城の4箇所にあるんですと。理由はわからないけど、なんだか謂れがありそう…
花矢倉展望台
さらに下りまして、花矢倉展望台へ。
その名の通り桜を愛でられる場所なのですが、この日はまっしろ〜
風に流されて、ほんのり景色が見えましたが…もうちょい雲?霧?の量が少なければなぁ。しばらく粘ったけれどなかなか視界が開けてこないので、諦めて先へ進むことに。
吉水神社
だいぶ下ってまいりまして、こちらは蔵王堂からも徒歩圏内。
後醍醐天皇、楠木正成公、吉水院宗信法院公が御祭神として祀られています。
元は吉水院といい、天武天皇の白鳳年間に役行者が創建した格式の高い修験宗の僧坊でした。 明治時代に神仏分離が行われ、後醍醐天皇の南朝の皇居であったことから、明治八年に「吉水神社」と改められました。
吉水神社 より引用
重要文化財に指定されている、日本最古の書院や庭園が有名なのですが…
雨の中の山歩きでへろへろだし、手足も冷えてきたし、体が「もう限界」と訴えていたのでお参りだけして帰ってきてしまいました。
今回の吉野は心残りだらけです…
また次の機会に時間を取って、ゆっくりお参り&拝観させていただこう。そうしよう。
帰りはかえで号で下山。
はじめての吉野は、大雨だし寒いしでなかなか思惑通りに事がすすみませんでした…
それでも、参拝客が少ないこの日に来た意義はあったのかなぁと、思います。
なんとなくまた、近いうちに足を運ぶような気もしますし。
その時は出来るなら、花の時期に。紅葉の季節もいいな。
でもきっと、次も雨なんだろうなぁ…
2019年10月奈良ひとり旅2日目② 雨の吉野。脳天大神へ
首から上の守護、脳天大神龍王院
蔵王堂から下り、脳天大神へ。のうてんおおかみ、と読みますが「脳天さん」と呼ばれて親しまれているようです。
450の石段を下ってゆきます。
ホントに午後から止むのかよ〜っと愚痴りたくなるくらいびしゃびしゃと振り続ける雨。水の勢いもすごい…
「脳天大神」変わったお名前ですけれど。
覚澄大僧正はお瀧のある修行の場所を探し求められる中、現在、大神様が鎮座されている谷がその最適の場所であると考えられ、その後、行場の開発に取り組まれることとなりますが、その最中頭を割られた蛇に遭遇され、それを哀れに思われて丁寧に経文を唱えられ葬られました。その後、その蛇が何度も夢枕に立たれお礼を言われます。最期には「頭の守護神として祀られたし」と云う霊言を覚澄大僧正は聞かれます。また、それと同時期に蔵王権現様から「諸法神事妙行得菩薩(しょほうしんじみょうぎょうとくぼだい)」と云う御霊言も授かられます。実際に形として現れてこられたのは頭を割られた蛇でありますが、蔵王堂(ざおうどう)のご本尊蔵王権現様が姿を変えて出現されたのであります。
脳天大神 龍王院より引用
っという由来があるそうで。
そこから、首から上の守り神として、頭や目の病気や学業成就にご利益があると言われているそうです。
こちらは無理に分離させず、習合したままの模様。神社なの?お寺なの?っと戸惑うけれど、神も仏も尊いとする本来の日本の信仰の形なんだろうなぁ。
お線香をあげて、こうして今日ここに来られたことに感謝して、お参り。
お百度参り用の通路(っというのか?)が作られていたり、信仰の深さが伺えます。
なんとも言えない不思議な雰囲気。お寺とも神社とも違う感じが、やっぱりします。
建物の外でもう一度手を合わせて、脳天大神をあとにしました。
帰り道も、450の石段。今度はのぼります。
運動不足なのでヒイヒイ言いながら、また蔵王堂の前へ戻ってきました。
わたしは普段ひどい片頭痛持ちで、薬を飲むほどじゃない時でもモヤモヤっとしているのが常なのですが…
歩いている間、なんとなく頭の中がスッキリしているような…?気のせいかもしれないけど、これってご利益なのかしら?なんてことを思ってみたりして。
雨は少しだけ弱まってきました。
2019年10月奈良ひとり旅2日目① 雨の吉野。金峯山寺御開帳
奈良旅2日目。
早起きして動き出そうと思っていたけれど、全くもって起きられず…
宿泊した橿原オークホテルの並びにある喫茶店「」で、350円という安すぎるモーニングを食べながら今日のプランを考えます。
午前中は雨、午後から曇の予報。そして朝9時の時点では、ほとんど傘をささなくても良いくらい小降り。
この感じなら、吉野に行ってみちゃおう〜っというわけで。橿原神宮前から特急に乗り込み吉野山を目指すことにしました。
全国の交通ICで乗車できますが、特急券は窓口で購入が必要。
平日なこともあってか、車内はほぼ貸し切り。
吉野駅からは、ロープウェイを利用。千本口から吉野山へ向かいます。
さくら柄がかわいい。
のぼるにつれて、段々雨脚が強くなる…
金峯山寺 蔵王堂
蔵王堂の前についた時には土砂降り。
去年の貴船〜鞍馬も戸隠の時もひどい降りだったなぁと思い出し、雨女レベルが高すぎて我なががっくり。
入口のところでエコバッグと御守札をいただいて、堂内に進みます。脱いだ靴はこのバッグに入れるのですが、ドロドロなので少しためらう…ビニール袋持ってくればよかった。
金峯山寺の御本尊は、三体の青い不動明王像。秘仏ですが、11月30日まで秋の特別公開されています。
まずは畳敷きの部分に座り、離れたところから手を合わせます。
間近でなくてもわかる、圧倒的な迫力。
すごいところへ来てしまった。
続いて順路通りに奥へ進もうとしたところ、係の方に案内されて不動明王像の前へ。
三体の像それぞれの前に、障子で区切られた半畳ほどのスペース「発露の間」が設けられています。そこに座って、周りと隔絶された形でお参りが出来るのです。
参拝客が少なかったからなのか、2回この発露の間に通していただけました。
2回目の時に「関わる人達に感謝の心を忘れないようにしよう。色々のことに謙虚に、心を込めて取り組もう」という気持ちが、なぜだかぶわわわと湧いて来ました。
これが気付きというものなのでしょうか。
大雨の中で吉野にきた意味が、あるんだなぁと思いながらお参りして来ました。
滅多にないけれど、こういう瞬間があるから。わたしは神社仏閣にお参りにいくのだと思います。
はずかしながら、下山するとすぐに意識出来なくなっているのですけれど…
事あるごとに思い出せるようにしておこう、と綴りながら改めて思い出し、決意しております。
2019年10月奈良ひとり旅1日目③ 世界遺産は地面の下。豪華絢爛な平城宮跡
雨の降る中、海龍王寺をあとにしまして。平城宮跡を目指します。
人力車のお兄さんには「平城宮跡は、あんまりお姉さん好みじゃないと思いますけど…」と言われましたが、自分の目で見てみないとわかりませんからね。
徒歩で行くには距離があるものの、新大宮駅に戻るのもそれなりに遠いという微妙な場所におりまして…
悩んだ結果、約2キロ。歩いて行くことにいたしました。
東院庭園
今思うと朱雀大路から朱雀門と正面から行くべきだったのですが…わかりやすい道を進んだ結果、平城宮跡の右端にある庭園に行き着きました。
この時雨脚が強まってきたので、残念ながら写真を1枚も撮っていませんでした。
https://www.heijo-park.go.jp/ より画像引用
大きな池があり、舞台が設えられています。宴会や儀式を催した場所と考えられており、現在でもお月見会が開かれたりしているんだそう。風流ですね。
ちなみに、池に配置された岩はここから発掘されたもの。
また樹木も、実際に種が発掘された植物を植えているんですって。
第一次大極殿
発掘された柱の跡を元に、当時の工法で2010年に再建された大極殿。
まだ新しい建物なので、世界遺産なのはあくまで地下の遺構。
現在は埋め戻されていますが、万一地震などにより傷んでしまわないよう建物と遺構の間には耐震設備が施されているそうです。
大正天皇がご即位の際にお使いになったという高御蔵が、大極殿の中に展示されていました。
10月22日の「即位例正殿の儀」で天皇陛下がのぼられたものと、殆ど同じ作りということです。皇后様のものは、やや小ぶりなんだとか。
朱雀門
現在南門を再建真最中のため、朱雀門から大極殿を臨むことは叶わず。
遺構展示館といざない館にも立ち寄ったのですが、この日は雨のせいでお客さんが少なく、どこへ行ってもボランティアガイドさんがつきっきりで解説してくださいました。
平城宮跡は元々湿地帯で、遷都後はずっと水田になっていたとか。
そのため遺跡類は地中で水に浸かっている状態。水の中だと木材は腐食しないので、井戸や柱の一部、木簡なども当時の形のまま見つかっているんですって。
色々興味深く話を聞かせていただきましたよ〜
しまいにはガイドさんではなく、いざない館に来ていたお客さんから小一時間解説を受ける始末…
お気持ちはありがたいけども、閉館ギリギリまで拘束されて最後は表情筋が死にました。スタッフさん達に、気の毒そうに見送られましたよ…
はじめて訪れましたが、思いの外長時間滞在し(笑)満喫してまいりました。
平城宮跡の発掘作業により、当時の技術や文化が明らかになるのはとても面白いですよね。歴史ロマンだわ〜
しかし。億単位の税金をかけて、門や垣を再建する必要あるのかしら…?とも思ってしまいます。
費用の関係で、発掘作業もまだまだ終わっていないと聞いてしまうとね。そちらを優先した方がいいのでは?っとも…
なにはともあれ、せっかくの設備ですから。上手く活用して奈良が盛り上がったらいいなぁ〜
なんて。関東の僻地から思ってみたりするわけです。
2019年10月奈良ひとり旅1日目② 率川神社〜佐保・佐紀路へ
旅行中、それも来たばかりにも関わらず「お金をためてまた来よう」などとよくわからないことを考えながら、三条通りをフラフラ。
お餅の早つきで有名な「中谷堂」で草餅を買って、食べ歩き。お餅が柔らかくてうまー
にやにやしながらきな粉に塗れ、すれ違う方の視線を浴びつつ、やすらぎの道へ。
子どもの守護。率川神社
いさがわ、と読みます。とても好きなお社のひとつ。
三輪市の大神神社の境外摂社で、奈良市最古の神社と言われています。
御祭神は、神武天皇の皇后である『媛蹈韛五十鈴姫命』(ひめたたらいすずひめのみこと)
その父神『狭井大神』(さいのおおかみ)つまり大物主大神の荒魂、母神の『玉櫛姫命』(たまくしひめのみこと)。
三柱の親子神様が祀られています。
そのことから、安産、育児、生育安全にご利益があるとされ、家庭円満の神様として信仰されているそうです。
立地としては立ち寄りやすい場所なのですが、ガイドブック等にも載っていないためか混雑しておらず、ゆっくりとお参りできる神社です。
普段個人的な願い事はほとんどしないのですけれど、家族のことは別でして。
姪と甥の健やかな成長をお祈りしてきました。
こちらで頂いた子ども守り、1年を過ぎてしまったので買い替えてあげねばなのですが…社務所に人がいらっしゃらず断念。
しばらくは姪甥にも会えないから、今回は仕方ないかということにして。また次回改めていただきにこねば〜
雨の不退寺へ
さて。近鉄奈良駅から電車に乗り込みまして、新大宮へ。
今回の旅ははじめてのところへお伺いしたく、いつもと違うエリアへ。
新大宮についた時から雨が降り始めてしまい…しっとり濡れ模様。
不退寺は真言律宗のお寺です。
『伊勢物語』主人公のモデルと言われている在原業平。その父君、阿保親王の菩提を弔うために建てられたそうです。
秋の特別拝観で、在原業平像の掛軸が公開されていました。
本堂内はあまりゆっくりできる雰囲気でもなく、本降りの中で境内を散策するのも難しく…早々に退散してきました。
海龍王寺
気を取り直して海龍王寺へ。龍が描かれた大きな絵馬が目印です。
藤原不比等の邸宅内にあったお堂を元に、光明皇后の発願で建立されたのがはじまりです。宗派はこちらも真言律宗。
海龍王寺は、御本尊の十一面観世音菩薩が有名。
光明皇后が自ら刻まれた観音像を元に、慶派の仏師が作製したとつたえられているんだとか。
がしかし、秋の御開帳期間を1日勘違いしておりまして。公開はわたしが訪れた翌日から。
この日はまだ垂れ幕がかかっており、お顔とお体の中央部分のみ拝見できる状態でした。
残念ではありましたが、そうやって保護されてきたおかげかきれいな状態で彩色も残っていました。影にはなるけれど、お顔も見られたし。とても美しかったなぁ。
たまたま居合わせた女性の参拝客は、仏像がとてもお好きなようで。ものすご〜く残念がって悔しがっていらっしゃいました。
このあと法華寺にも足を運ぼうと思っていたのですが、そちらの十一面観世音菩薩像御開帳も翌日からと知らされ…己の下調べの甘さにがっくり。
「今日までは、本物そっくりの身代り像が見られますよ」と海龍王寺の方が教えてくださったのですが。
雨もひどくなってきたし、また別の機会に改めてお参りさせていただくことにして。
はじめての佐保・佐紀路のお寺めぐりは、悪天候と下調べの甘さでなんとなくとなく物足りない感じになってしまったのでした。
この後、濡れついでに歩いて平城宮跡方面へ向かうことに。
2019年10月奈良ひとり旅1日目① 興福寺、秋の御開帳
おやつの話題に続きまして、旅程でもまとめてみましょうってなわけで。
お久しぶり過ぎて文章の書き方を忘れ気味でございますけども、ゆるゆると参りますよ〜
毎年のことですが10月は仕事が立て込みまくっておりまして、もうへろへろ。
「連勤たくさんしたら、月末に連休とれるよ」という上司の言葉にたぶらかされ、10月前半は記憶がない位に馬車馬のごとく働きたおし…月末に勝ち取った3連休で奈良へ行ってきたのでした。
ちなみに、休みが繋がっただけで増えたわけではありません。世知辛いはなしです。
旅の始まりは京都から
時間をたくさん取りたかったので、今回は夜行バスの旅でございます。
東京→奈良への夜行バスもあるのですが、業後に乗るに間に合わず…東京→京都の便を利用することに。
京都駅には7時00分過ぎに到着。
駅ビルの喫茶店で、驚くほどサラダが不味いモーニングをいただきつつ、初日の動き方を考えます。
台風の影響で天気は微妙になりそうな3日間。
どうなることやら…
北円堂と南円堂の特別拝観
ひとまず京都から近鉄線で奈良へ。
この旅では橿原に2泊するので、 大和西大寺駅で一度下車し、コインロッカーに荷物を預けて乗り換えました。
まずはいつもどおり東金堂にお参りして…
特別公開中の南円堂と北円堂へ向かいます。
まずは南円堂から。
日本最大の八角円堂と言われており、お堂自体も重要文化財に指定されています。
堂内中央には不空羂索観音菩薩坐像(ふくうけんさくかんのんぼさつざぞう)を取り囲むように法相六祖坐像、四天王立像が安置されています。
康慶の作といわれる堂内の仏像はすべて国宝。観音様の凛としたお顔が、なんとも言えず美しいのです。
続いて北円堂へ。柵の中では写真撮影禁止のため、お堂も遠くからパチリ。
北円堂は、興福寺の中でも最も古い鎌倉時代の建造物。国宝に指定されています。
普段は近づく事も出来ないので、中に入れることにしずかに大興奮。
中央に弥勒如来坐像、その横に法苑林菩薩と大妙相菩薩。後ろに無著菩薩(むじゃくぼさつ)立像、世親菩薩(せしんぼさつ)立像、周囲に四天王像と安置されています。
弥勒如来像も素晴らしいのですが、無著菩薩に目を奪われてしまいました。故、他をあまり記憶しておりません…
なんという表現が適切なのか。生きているみたいってのも何か違う気がするし。生々しい、というのか。魂があるようなとでも言うのかしら?
一昨年東京でやっていた運慶展にもいらしていたのですけれど、やっぱりお堂の中で拝見すると全然違うものですねぇ…
ゾクゾクっと鳥肌がたって、涙が出そうな不思議な心持ちになりました。
「やっぱし運慶さんて、とんでもない天才なんだわ…」とチープな感想をいだきつつ、なかば放心気味に退出。
中金堂
続いて向かったのは、昨年新しく再建された中金堂。
前回来たのは落慶直前だったので、お参りははじめてです。
中央には釈迦如来坐像。江戸時代の作ですが金箔をはりなおしたそうで、非常に鮮やかで美しい如来様でした。
両脇には薬王、薬上菩薩立像。さらにその両隣に大黒天立像、厨子入り吉祥天像。
そして四方を、これまで南円堂内に安置されていた四天王像が取り囲んでいます。
14人の法宗宗祖師を描いた、色鮮やかな法相柱も見応えがありましたよ〜
しかし、北円堂の衝撃(?)を引きずりすぎて、なんやらぼんやりとお参りしてしまいました。
新しく再建されたお堂も素晴らしいけれど、やっぱり時代を経て守られて来たものとは一味も二味も違うんだなぁ。なんてしみじみ。
これから、この中金堂が長く長く祈りの場として守り伝えられて行くように、お祈りして興福寺をあとにしました。
猿沢池に向かって階段を降りていたら、人力車のお兄さんに声をかけられまして。しばし談笑。
堂本剛くんファンでもなんでもなくただの奈良ファンだと伝えると「理解できない」みたいな顔されたりっと、色々お喋りさせていただいたのですが。結局乗らなくて申し訳ない。
だって1時間9,000円で、おすすめのコースは3時間だって言うんだもの…
しかし「もっともっと、奈良を好きにしてみせますよ!」っと言われるとね。次は予算考えて、お願いしてみたいなぁっという気持ちになりました。
また頑張って働かないとなりませんね…