福井県永平寺の宿坊で修行体験レポ〜1日目
前回の永平寺参籠体験の申込み方法に引き続きまして、実際の体験内容なぞまとめてみようかと思います。
長くなってしまいましたが、お付き合いいただけたら幸いです。
上山〜受付〜入室
15時頃に永平寺に到着。
受付用紙に記入して、手続きをします。ホテルで言うところのチェックインのような感じ。
たまたま同じ位の時間に到着した体験者の方がいらしたので、担当の雲水さんに部屋まで案内していただき、揃って説明を受けました。
ホワイトボードに沿って、当日と翌日の流れを聞きます。
翌朝は4時起床かと思いきや、身支度等々を考えると3時台には起きねば間に合わないことをここで気付かされ、愕然とする朝弱い族のわたくしたち。
「3時台…どちらかというと寝つく時間です…」とつぶやく後輩。確かに、3時に寝たことはあるけど、3時に起きたことないわ。
修行僧って大変だ。
手の組み方三種
座禅や座っているときの手の組み方「法界定印」
手の平を上にして右手に左手を重ね、卵型になるように上部で親指を合わせます。
中央、歩くときの手の組み方「叉手」
軽く肘を張り、鳩尾の辺りで親指を内に入れたて左手を握ります。拳を包むように右手を上から重ねます。
右、「合掌」
これは最も馴染みがありますね。肘を張り、首くらいの高さで、指を揃えて掌を合わせます。
三黙道場
私語が禁止されている三箇所のこと。
食事、入浴、東司(とうす、と読む。トイレのこと)
この3つは修行の場とされており、私語は慎むこと。
トイレのお作法
各東司の近くには、必ず「烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)」が祀られています。東司の清掃中に悟りを開いた明王様なんですって。
入る前と後に、この明王様に合掌して一礼します。
自由参拝
入山後は、薬石の17時20分まではフリータイム。
この時間を使って寺内を参拝してきました。宿泊する
後輩ちゃんはこの時間に御朱印をいただいていましたよ〜
薬石(夕食)
本来は別室に移動して食事をする予定だったのですが…
幸か不幸か、この日は課外学習の高校生(100人くらい?)が来ており、一般の参籠体験者の同席が難しいとのことで。部屋でいただくことに。
修行体験中ということは重々承知しておりますが…部屋食になったので、1枚撮影しちゃいました。
高野豆腐の煮物、胡麻豆腐の天ぷら、青菜の酢味噌和え、牛蒡と人参の胡麻和え、白花豆甘煮、白米、漬物、赤だし。
精進料理なのでもちろん肉も魚も使われていませんが、物足りなさは全くなく味わい深い。ひとつひとつがとても丁寧に作られていることを感じながら、いただきました。
食後は箸先をお茶ですすぎ、汁気を口元で拭った後に箸袋におさめます。
翌朝も同じ箸を使い、体験後は記念として持ち帰れます。
ゆっくりいただきたいのは山々でしたが、急遽各部屋に配膳してくださった関係で時間が押せ押せでして…
次の坐禅の時間が迫っていたため、正味20分くらいで大急ぎで完食しました。
坐禅
さてさて18時20分。いよいよ参籠体験のメインでもあります、坐禅です。
足さばきの良い服装に着替え、素足でスタンバイ。道場へ移動します。
案内係の雲水さんからバトンタッチし、別の雲水さん(おそらく先輩)が解説と指導してくださいました。
曹洞宗の坐禅は、坐蒲(ざふ)という丸いクッションの上にお尻を乗せて足を組ます。壁に向かって座るので、周りが気になりにくく集中しやすいです。
足の組み方としては、両足を腿上にあげる「結跏趺坐」が有名ですが…
右足を床につけ、左足のみ腿上に乗せる「半跏趺坐(はんかふざ)」でもOK。
坐禅中は目を閉じずに、斜め45度を見つめるよう「半眼」の状態を保ちます。
わたしはこの日が坐禅初体験。
グラグラしたら、狭窄でスパーンってやられるのかなぁとドキドキしていましたが、そんなこともなく。
姿勢が崩れていても注意されるだけ。狭窄で打ってほしい場合は自己申告するシステムでした。ほっ。
もっと眠くなったり、色々なことを考えちゃったりするものかな〜と漠然と予想していたものの、案外自然とあたまがからっぽになるものでした。
自分の心音、呼吸音、雲水さんが歩く衣ずれの音、お線香の香り…
そういう諸々がふーっと遠くなっていって、時間の感覚も曖昧になります。30分くらいは座っていたのかな?
半跏趺坐でも終盤かなり足が痛かったですけど、時間はあっという間にすぎていました。
映画鑑賞〜入浴〜就寝
坐禅のあとは、別室に移動して永平寺についてのDVDを鑑賞。北陸の四季と、雲水さんたちの修行の様子を学びます。
曹洞宗の寺院の中でも修行が厳しいことで知られている永平寺。近年は修行僧の数も減っているんだとか。そんな中で通常の修行以外に、わたし達のような参籠体験者の受け入れるのは大変でしょうね。
お坊さんたち、若いのにえらいよねぇ〜BBAも頑張って働かねばいかんなと思わされた次第です。
内容とは関係ありませんが、DVD鑑賞した部屋は冷房がしっかり効いておりまして、寒いくらいでした。何か羽織るものをもって坐禅にのぞむとよろしいかと。
その後、着換えをとりに部屋に戻って入浴タイム。
お風呂は宿泊者用のものを利用します。壁沿いにカランが並び、中央に湯船がありました。予想より広々しています。シャンプーはありませんが、固形石鹸とボディーソープがおいてありました。
30分程時間が取られておりますが、三黙道場のひとつなので黙々と入浴をすませました。
入浴後は自由解散。各自部屋に戻ります。
翌朝は時間に余裕がないため、夜のうちにできる限り荷造りをすませておきます。布団を敷き、21時に浴衣に着替えて開枕。
目覚ましの時間は3時45分。しっかりスヌーズにしておきましたが、起きられるか不安を抱えつつ、就寝しました。
2日目につづきます〜