熱海ひとり旅〜樹木の神様に出会いに、本州最大の楠のある來宮神社へ
先日の熱海旅、完全ノープランではありましたが、ここだけは行こう!と思っていた場所があります。
それが「來宮神社」(きのみやじんじゃ)です。
最近は縁結びのご利益があるとかで、若い女の子たちも沢山お参りにきていましたよ。
緑が多く、訪れるだけで癒やされるところでした。今回は、そんな來宮神社をご紹介してみたいと思います。
来宮神社
ご由緒
古くから来宮大明神と称し、熱海郷の地主の神であって来宮の地に鎮座し、来福・縁起の神として古くから信仰されています。
おおよそ、今から1300年前、和銅三年六月十五日に熱海湾で漁夫が網をおろしていたとき、御木像らしき物がこれに入ったので、不思議に思っていると、童子が現れ『我こそは五十猛命である。この里に波の音の聞こえない七本の楠の洞があるからそこに私を祀りなさい。しからば村人は勿論いり来るものも守護しよう。』と告げられ、村民達が探し当てたのが、この熱海の西山の地でした
もともとこの土地は、地主神「来宮大明神」として信仰されていたようですね。
そこに現在の御祭神が祀られていって、現在のような形態が出来上がったのでしょう。
御祭神
大巳貴命(オオナモチノミコト)…営業繁盛・身体強健の神
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)…武勇と決断の神
五十猛命(イタケルノミコト)…樹木と自然保護の神
(ご由緒、御祭神オフィシャルサイトより引用 御祭神縁起 ■ 來宮神社)
ネットで調べると、縁結びのご利益がすごい!といった情報が出てくるんですが…
不思議なことに、御神徳にはないんですよね。その説、どこから出たのかしら…?大巳貴命=大国主大神だから??
疑問をいだきつつ、いざお参りへ。
熱海は意外と坂道が多いです。
わたしは、泊まっていたホテルから徒歩で向かったので、方角的にはサンビーチのあたりから北上していった格好。
ふうふう言いながら坂道を登り、トンネルを抜けると鳥居が見えてきます。
第二楠
鳥居をくぐったすぐ右手に大きな楠木があります。
御神木の第一楠と並び、第二楠と呼ばれています。中は空洞になってしまっていますが、まだまだ現役。青い葉を繁らせた立派な大樹です。
ご本殿
朱塗りの柱が美しいご本殿。
手前にあるのは、落ち葉で描かれたハート♡型。
自撮り用のプラカードやカメラスタンドが設置されていたり、随所に若い女子に受けそうな工夫がなされていましたよ。
境内のカフエもおしゃれだったし、昨今の神社ってすごいんだなぁ。
御神木の大楠
そしてそして。來宮神社での個人的メインはこちらです!
樹齢2000年を越える御神木の大楠。
本州一の大樹で、国の天然記念物にも指定されています。
オフィシャルサイトによると、古く、この樹は神様をおろすよりしろ、「ヒモロギ」だったそうです。
江戸時代末期までは「来宮」は「木宮」と記されており、御神木自体を神聖視してお祀りしていたことがうかがえます。
現在左半分の幹は失われていますが、それでも溢れ出る生命力といいますか。命のエネルギーみたいなものをびしびし感じます。
神様の宿る木と言われて、すごく納得。
願い事を心に唱えながら右回りに一周すると願いが叶う「心願成就」と、
同じく右回りに一周すると、寿命が一年伸びるという「健康祈願」の御神徳があると言われています。
あまりご利益とかパワースポットとか囃し立てるのは好みませんが、確かに、御神木に近づくだけでリラックス出来るし、いい作用をいただけそうです。
トトロの森みたいだね〜と話しているおじいちゃん達に同感。
景色にも、おじいちゃんたちにも癒やされる…
摂末社
来宮稲荷社
参道の左手に鎮座する社。いわゆるおいなりさん。
京都の伏見稲荷から勧進されたお社。宇迦御魂神をお祀りしています。
立ち並ぶ鳥居もまだ新しく、きれいなお宮です。
來宮弁財天
ご本殿の右手にある弁天様。小さい橋を渡った先にお社が建てられています。
開運出世の神様として崇められています。
三峯神社
写真を撮り忘れてしまったのですが、第二楠の隣に鎮座しています。
埼玉県秩父市にある、日本武尊が創建したと言われる神社です。神使が狼なことで有名ですね。
来宮神社に祀られたのは昭和の初期。御祭神は伊弉諾尊、伊弉册尊。
アクセス
最寄り駅は来宮駅。約400メートル、徒歩5分程。
熱海駅からもまぁまぁ距離がありますが、徒歩でいけます。約1.5キロ、徒歩19分。
町並みを楽しみながら、向かうのもよろしいかと。
まとめ
5年ぶりくらいに参拝しましたが、自撮り用のフォトスタンドがあったり、オシャレなカフェがあったりと、若い世代を呼び込む工夫が見られました。
どんなに素晴らしい神社でも、やっぱり人がお参り(観光ではなく)に来ないと寂れてしまいますからね。
かわいい女の子たちが、お参りして境内が賑わっている様はとてもステキな光景でした。
時代の流れを取り入れつつ、2000年を超える命をさらに先へ、大切につないでいけることは奇跡のようなことです。
ストレスフルでへろへろな時にお参りできて、ありがたいなぁとしみじみ思います。
また、元気がなくなったときに訪れたい癒やしの場所でした。